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スタッフコラム

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スタッフ全員で綴る連載コラム

Vol.164

2019年03月01日

芳賀 晶子 <助産師>
No Meat , No Life !

私は無類のお肉好きです、〇山食堂で焼き肉を食べている時が一番幸せです。私の家族も、もちろんお肉大好きです。そんな我が家の肉食系Lifeをリポートします。

 

夫はもともと多趣味です。そんな夫が5~6年前突然「狩猟免許を取りたい」と言い出しました。狩猟?!・・・ついにマタギを目指すのか・・・。半分呆れつつも①あくまでも趣味の範囲でやる。②金銭的援助はいたしません。③捕った物の料理は一切いたしません。これを約束し、OKを出しました。エアガンで鳥類しか捕らないと言って免許を取り、狩猟解禁日から猟に出かけるようになりました。素人が、そんな簡単に獲物なんか捕れないだろうと思っていたら、甘かった・・・せっせとカモをゲットしてくるのです。捕ったカモをさばくのですが、当時6歳の息子は興味津々、まるで理科の解剖実験のように一緒になってさばき「これが砂肝?」「胃の中見れば何食べてるかわかるね」そんな会話で父子は盛り上がっていました。当然、食べるんだよね、カモなんて高級食材だもんね・・・。初めてのカモ料理は「かも鍋」でした。恐る恐る食べると、臭い+硬い=まずい!その反応を見た凝り性の夫は、あらゆるサイトでカモの食し方を研究。一斗缶で燻製機を作ってスモークにしたり、タレに漬け込んで焼いてみたり。近所のイタリアンレストランにカモを持ち込んで、カモのフルコースを作ってもらい家族で食べて、プロがカモを料るとどう違うかヒントをもらったり。苦節3年、夫はカモの完璧な料理法を身につけ、今では食卓に上れば私も含め飛ぶようになくなる“鴨のロースト”を作るようになりました。子ども達もカモは大好物なのですが、諏訪湖のカモを見て「にぃに、あのカモ食べれる?」「あのカモは食べてもおいしくないよ、首が緑のマガモがおいしいやつ」という会話を聞くとドン引きします(^_^;) カモ、コンプリート。

 

2年前、マタギの夫は更に狩猟にはまり、地元の猟友会に入りました。そして恐れていた事態が!「四つ足もやりたいから免許取りたい」説明しよう(^o^)/四つ足とは、四本の足で歩く動物、即ちシカ、イノシシ、クマ的なやつ!・・・マジか・・・(泣)

まず参上したのはシカでした。山中で解体して来るのでお姿を拝見することはないのですが、そのお肉の量、半端ないっす!猟友会の先輩方は、獲物を捕りたいが食べるのには飽きているので、どなたもお肉を欲しがらない、何でも初めてな夫は「ハイハーイ!」と手を上げお肉をもらってくる。でもシカ、大きいです。カモの比じゃないです。冷蔵庫のチルド室も冷凍庫もシカOnly、「無料のお肉、エンゲル係数下がるね!」とか笑えませんから。シカの1stバイトは「シカカレー」料理中から察していましたが、一口実食すると・・・臭い+硬い=まずい!カレーのスパイスにも打ち勝つ獣臭さ、翌朝までリビングにシカがいるかと思うほどの獣臭さ・・・すまん、シカ、無理です(T_T)でも、諦める夫ではないのです。また研究開始。クックパッドもフル活用、私のスマホに「シカ肉料理を検索したあなたへ」というクックパッドからのお知らせが毎日来る・・・あたしじゃないです・・・。夫は挽肉製造器を買い、「シカ餃子を作ろう!」息子は必死でミンサーを回しシカ挽肉を作り、娘が粘土遊びのように餡をこね、夫婦は無言で餃子を包む・・・実食「硬いゴムの塊?香味野菜に打ち勝つ臭み?餃子、ないね」シカを諦められない夫のたっての希望で東京の有名ジビエ料理店にも行きました。「ここのお店のシカもウサギもみんな原産地長野県だよ、いい所に住んでてよかったね」と、夫に取り込まれそうになりました。同調してなるものか!やがて夫は流行の低温調理器を購入して夜な夜な試行錯誤を重ね、ついに美味しいシカ料理を作るようになりました。背ロースのステーキ、シカのロースト、シカシチュー、シカカツ、私も感服の品々です。夕食を作ってくれるなんて、たとえ獣料理でも助かる。シカ、コンプリート。

 

次はイノシシ。これは元々美味しいと知っていたので、スムーズに受け入れられました。イノシシ汁、焼き肉、臭みもなくて◎ 。イノシシパーティー略して“イノパ”と呼んでいます。イノシシ、コンプリート。

 

年末大掃除でバケツを探していたら、玄関の土間で発見。すると新聞紙で蓋がしてあり“キツネ はいってます”と。なに~!キツネ?キツネはうちにぬいぐるみもあるし、こないだ行った伏見稲荷じゃ神様だし、キツネは無理でしょう~。夫は「さすがにキツネは食べないよ。毛皮!」夫よ、何を目指してるのだ。家の中に持ち込まないで!と散々言ったのに、夫の部屋に掃除に入るとキツネの毛皮が・・・怒りがこみ上げつつも「わあ、かわいい、しっぽふわふわ」と触っている自分に気づきハッとした。                             危ない、取り込まれそうになった(汗)キツネ、安心の装飾品止まり。

 

先日、突然息子が「カラス食べてみよう」と言い出しました。。我が家のトイレの本棚には夫が揃えた“山賊ダイアリー”という猟をして捕ったあらゆる獲物を食して暮らすサバイバーによる漫画本があり、息子は熟読しているのです。夫は「じゃ、カラス捕りに行こ」と寒い中出かけていき、あっという間にカラスを仕留めて帰ってきました。庭のデッキで父子はカラスをいじりながら「カラスって実際の体ちっさいね。」「渡り鳥じゃないからね-」「食べるとこある?」異様な会話をしておりました。まだ熟成中で食していませんが、私はカラスこそは遠慮します。カラス、コンティニュー。

 

こうして文章にしてみると、本当に普通じゃない感じの我が家ですが、命をいただくありがたさ、動物に生かされている私たち、子どもたちにとても大切な食育ができているのだと肯定的に考えようと思います。                               でもやっぱり、牛肉が好き♪

いっぱいお肉を食べて、みなさんのお産のお手伝い頑張ります!「おっ、力強い腰のマッサージだな」と感じたら、「今日この人は、何の動物食べてきたのかな?」と想像してみてください。                                        一瞬陣痛が吹っ飛ぶかも?!

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