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スタッフコラム

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スタッフ全員で綴る連載コラム

Vol.105

2014年04月01日

有賀 慶奈 <助産師>
☆早生まれもいいものだ☆

春の風が~ 吹いてきたら~ メダカもちょうちょも小鳥たちも~ うれしそうに~ 笑うだろう~ (略) ステキな春が~ ほんとに来たんだ~ わ~い!わい!♪

子どもが入園するときに、保育園のお兄さんお姉さんが大きな声で歌ってくれた歌の歌詞です。歌詞も可愛らしく、私はこの歌を一瞬で好きになりました。わが子にはリズムや音程が難しく、なかなか歌えなかったのですが、年長に上がる今年の春、ついにお家でも歌ってくれるようになりました。この歌を聴くと、春が訪れたんだな~、また新たな1年が始まるんだな~と感じます。

新たな1年の始まり。わが子の通っている保育園も4月1日からスタートします。4月1日といえば、エイプリルフールであり、私の誕生日。もう1日遅く生まれていたら、学年が1つ下になっていました。そうすると、今の親友たちは、ただの顔見知りの先輩だったのかもしれない・・・。担任の先生や、出会ってきた人たちも全て変わっていたのかもしれません。そう考えると、これまでの出会いは、運命的で奇跡の出会いだったのかも!!と、大げさなことまで考えてしまうのです。

4月1日は学年の境目となるので、この時期に出産される方からは、「早生まれは避けたい」「早生まれの方がいい」と、出産日を希望する方もいます。ではなんで、4月1日が境目?とお思いの方。学校教育法で「保護者は子の満6歳に達した日の翌日以降における学年の初めから、小学校に就学させる義務を追う。」とあります。満6歳という文字がキーワードのようです。4月1日生まれの子は3月31日に満6歳を迎えます。その翌日以降における最初の学年の初め、つまり4月1日から小学校に通わなければいけないのだそうです。

子どもの頃の数ヶ月は、成長の差も大きく、早生まれだと心配される方もいます。実際私も、小さいころは苦労したと母が言います。年中に上がるとき、担任から「全てのことが遅くて見ていて気の毒になる。どうしてあげればいいか?」と言われたそうです。母は悩み、休園させて自宅で教育しようかとも考えました。だけど園長先生が「たとえ早生まれでも、この子は目に見えて成長している。集団のペースは気にしなくていい。個人のペースを見守ってあげましょう。お母さん、見てごらん。年少さんと比べたら、この子はすごい成長をしているのがわかるでしょう?」と。

当の本人は、そんなことも知らず、元気いっぱいの園児でした。早生まれを不憫に感じたのは小学校に入ってからの運動会。永久歯が生えそろう友だちと、まだ前歯が抜けている自分。どう頑張っても、パン喰い競争のパンの袋が歯に噛み合わない(笑)。先生が手で取ってくれ、全校生徒が見守る中でのゴール。恥ずかしいやら情けないやらで、早生まれを不憫に感じたくらいです。

今となっては何にも感じません。むしろ覚えてもらいやすい誕生日。誰よりも最後に歳を1つ重ねることができる。いいことだらけなのです。3月生まれのわが子も、ゆっくりではありますが、彼女なりのペースでみるみる成長しています。母からの体験談を聞いていなかったら、私も娘がクラスの子についていけてないような気がして、焦りや不安を感じて悩んでいたかもしれません。

「赤ちゃんは自分のお誕生日を決めて生まれてくる」

私はそう信じて助産師をしています。医学的に医療介入が必要なケースは多々ありますが、女性の身体はちゃんと産めるようにできています。臨月を迎えた赤ちゃんは、この世に生まれ育つ力があります。じっくりと赤ちゃんの覚悟「陣痛を自ら起こし、暗くて狭いトンネルへの長旅をしよう!そしてお母さんたちに会いに行こう!!」を信じて、赤ちゃんの決めたお誕生日を楽しみに待つ時間もステキだなと思います。

いろんな体験ができるマタニティーライフ。そして出産・育児。貴重な時間を楽しまなくちゃ!というのが私の理想です。お産はマイナスイメージも強いけれど、不安を楽しみに変えられるよう、助産師として皆様を支えられたらいいなと思っています。母親としての私は、皆様とは“同士”です。だから一緒に楽しみたいなと思っています。皆様と笑顔でお会いできるのを楽しみにクリニックでお待ちしております。

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