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スタッフコラム

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スタッフ全員で綴る連載コラム

Vol.83

2012年06月01日

名取 有里 <助産師>
朝の楽しみ

新緑が輝き、吹く風が気持ち良い季節になりました。そんな季節の気持ちよさとは裏腹に、寒い冬の間にたまった脂肪できつくなった白衣に不安を感じる今日この頃。さらに後1カ月に迫ってきた人間ドック。特保のドリンクのCMではありませんが、お腹をへこませて腹囲測定したくなるような現状です。

週に1回、市の陸上クラブで2時間ほどの練習に参加している娘が、記録会があると言いだしました。1000mを走ることになったけれど、特別走る事が得意というわけではない娘は「速く走れない。休みたい。」と言い始め、私は激怒しました。「何もしないで速く走れないなんていうな。速くなりたいと思うんだったら毎日練習しろ。」と。体型が気になり不安になるだけで痩せようと何の行動も始めようとしていない自分に、そんな偉そうなこと言っている自分が恥ずかしいと心の中で思いながら娘と言い合い、結局、一緒に走ろうということになってしまいました。

朝、少しだけ早起きして「まずは家の周りを一周してみよう。」と始まりました。走り始めてすぐに緩やかな上り坂。普段は全く気にならないくらいの坂なのに走ってみると息は上がるけど足は上がらない。一生懸命に足を動かして走っているつもりなのに、ちっとも前に進んでいない。歩いているよりはほんの少し速いのかな、でも歩いているのと変わらないのでは、と思うくらいの速さ。田んぼの脇を進むと今度は緩やかな下り坂。足の進みは楽になる感じはあるけれど、今度は足がもつれ転んでしまいそうな感覚に。最後は10段くらいの階段です。足に10㎏位の重りを付けているかのようで足を上げるのがやっとの状態でした。自分の体力の衰えを実感し、走ることの苦しさにプラスされ体も気持ちもどんどん苦しくなりながら、それでも前を走る娘に置いて行かれないように必死に走り家まで戻りました。家に着いて倒れこみました。

この文章を読んでみると、どれだけ長い距離を走ってきたのかと思うような感じになりますが、時間で言うとたったの5分。距離は500m?600m?、1㎞は絶対にありません。たったこれだけなんです。計算すると100mを1分かけて走っているなんて情けないです。そんな初日でしたが、翌日も走り、たった5分ですが3日坊主にならずに走り続けることが出来ています。1週間経つと速くは走れないのですが、周りの景色を見る余裕が出てきました。田んぼの土手の緑、八ヶ岳の残雪の様子、「息は苦しいけど気持ちいい朝だな。」と思いながら走る事が出来るようになってきました。しかし白衣に緩みが出来ることはなく、体型への変化はまだ起きていません。

早起きが苦手、そしてまだまだ体力不足という点から、家の周りを一周という距離を延ばすことが出来ずにいますが、少しずつ距離をのばし体も気持ちも軽くなり、娘と楽しく走り続けられたらいいなと思っています。

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