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スタッフコラム

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スタッフ全員で綴る連載コラム

Vol.12

2006年12月01日

宮坂 智子 <助産師>
パイパイ、大好き!!

今年も残すところ後1ヶ月。冬本番を迎えていますが、皆様いかがお過ごしですか?

さて、私には2歳半になる息子がいるのですが、彼は未だに「パイパイ大好き!!」でちょっと悩んでいます。

母子手帳から「断乳」という言葉が消えて数年。今は「卒乳」をされる方も多いかと思いますが、私は「仕事もはじめるし、断乳しようかな」と思っていました。

もともと母乳育児にこだわりがあったわけでもありません。

実際入院中はほとんどおっぱいも張らず、直母量もずっと1ケタで、ほぼミルクの状態で退院しました。

家に帰ってみれば「なんで泣いてるの??」というくらいほとんど寝ない息子で、ミルクを足しても泣き、オムツを替えても泣き…。唯一、おっぱいをあげている時間だけ静かだったため、30分おきに1日20回くらい授乳してた記憶があります。眠れず、食事をする暇もなく、精神的にもかなりつらくて、「なんで寝ないの」とよく一緒に泣いていました。

「おっぱいだけで足りているわけがない」と、1日1回はミルクを足していましたが、1ヶ月検診で体重がとても良く増えていることが判明。

結果的に頻回授乳で体重が増えるだけの母乳が出るようになっていたというわけです。母乳育児の基本は頻回授乳と言いますが、本当にそれはそのとおりだと実感しました。どうしようもなくて頻回授乳になっただけで、そんなに意気込みもなかったせいか、とってもとってもとーっても大変でしたが、母乳は出るようになりますよ。

その後は母乳のみで過ごし、1年後。あおぞらに復帰することになり断乳を決意。しかしちょうど子供が風邪を引いてしまい断念。断乳しないまま仕事に復帰しました。

初めのうちは保育園でも眠くなると「パイパイ~」と保育園の先生の胸をごそごそして、「ママじゃない」と気がついて、「パイ。ないね」と大変失礼なことを言ったりしていたようですが、今では保育園に行っている間は楽しく遊び、迎えに行った私の姿を見ると思い出すようで「ママ~パイパイ~」と言って走ってきます。

栄養というわけではなく、疲れたとき、怒られたとき、寂しいとき、「パイパイのむ~」と寄ってきます。精神的なものがとっても大きいようです。

それなら卒乳まで…とも思うのですが、母乳を続けているなりの悩みもいくつかあります。まず、夜起きること。長く母乳をあげていたママたちからも良く聞きますが、夜中に(本人は目をあけないので寝ぼけているのでしょうが)2~3回「パイパイ」と言って騒ぎちょっと吸って、又寝るのです。未だに夜中の授乳(?)は続いていて、私は出産後からまとまって長い時間寝たことがありません。

もう一つは痛いこと。さすがに歯もしっかり生えてます。普通に吸ってるときはまったく痛くないのですが、吸いながら寝てしまい思わず噛んでいるとき。それはそれは痛いです。

「いいかげん朝まで寝たい!!(母乳をやめると夜起きなくなると聞いた。)」「もう噛まれるのはやだ!!」と、何度となくちょっと断乳みたいなことをしました。

1:泣くのを覚悟して「今日からパイないね。」と夜添い乳をしなかったら、本当に3時間泣きつづけ、翌日仕事だったので「これじゃ無理」と根負けしました。

2:絆創膏を乳頭に張って隠し「怪我しちゃったの。痛いからパイもうないね」と言ったら、「怪我してないよ!!これとって!!」とすぐ剥がされました。

3:良く言う「からしを塗る」をやってみようとしましたが、からしがなかったため、わさびで代用したところ、わさび自体が乳頭にしみてとっても痛くて、すぐ洗い流しました。

などなど。

結局未だに母乳はやめられず。2歳をすぎ、お利口になるにつれてさらに彼の中でおっぱいは「安心できる大好きなもの」になっているようです。

「パイパイ~」と言ってニヤニヤ近寄ってきて、勝手に服をまくって飲み、「パイパイおいし~ね~牛乳みたい~」…じゃあ牛乳でいいだろう!!と思うのですが、ウトウト幸せそうにしている姿を見ると、「ちょっと大変なこともあるけど、いつかパイパイいらないって言う日までこのままいこうかな」という気持ちになっています。

育児も仕事も大変ですが、あの陣痛の痛みを、一生懸命乗り越えて生まれたときの、皆さんの笑顔が私に元気をくれます。あおぞらで、皆さんのうれしい笑顔にあえることを楽しみに待っています。

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